この前、宮の森珈琲で読み上げた小説。
上下巻のボリュームを感じさせないぐらいぐいぐい読めました。
上巻を読み終えた時に、これは下巻一気読みだなと予測できたので続きが気になって仕方なかったけれど読む時間を確実に取れる日を探していたら思ったより期間が空いてしまいました。
待ち望んでいただけに、読み始めたら楽しくて嬉しくて。
小説の内容はどんどん暗くなっていくのに、感情は逆方向に向かってしまいました。
唯一の後悔は、自分に将棋の知識が全くないこと。
将棋の読み上げ?「▲2六歩」みたいなのが、まずなんて読むのか分からない。それが凄いのかピンチなのかもわからない。
でも続きが気になるので調べている暇もなく、前後の話からそういうものなのだと疑問を持たないように読み進めました。
犯人が誰なのかとか大筋の推理はものすごくわかりやすいんだけど、その人が犯人であることはどうしても避けて欲しいと願いながら読んだり、自分が予想していた以上の真実が明らかになったりで読み終えた後も小説の中の人物達の人生に想いを馳せてしまうくらい人物像をリアルに想像できる話でした。
読後はなんて報われない人生なんだと悲しくなったけど、生まれた時から救われない人生を歩んできた彼が将棋に出会い二度も生きる悦びを味わえたというのは幸せだったのかもしれないと、読み終わってしばらく考えを巡らせているうちにそんな風に思うようになってきました。現実世界の話だったらもっと幸せになる道を見つけてほしいけどー。
柚月裕子さんの小説はこれで3冊目ですが、「虎狼の血」も「狂犬の眼」も面白かったので、好きなタイプの作家さんかも。
別の小説も読んでみたいと思います!


コメント