『ルノワール×セザンヌ展』を見るために三菱一号美術館を訪れました。
展覧会鑑賞が第一目的ですが、それと並ぶくらいに『三菱1号美術館』の建築を見ることにもワクワクで。少し前に「ソロ活女子」を見て興味惹かれる建物だったので、あそこでルノワールとセザンヌが見られるなんて、見逃すわけにはいかん!と出張の合間を縫って行ってきました。

外側から見たら高層建築がニョキニョキと建っている中にちんまりと佇む煉瓦の建物という印象だったんですが、ひとたび内側に入ると緑豊かで噴水が心地よい『都会のオアシス』ってこういうこと?っていうくらい素敵な空間というか世界が広がっていました。三菱一号美術館の元となる『三菱一号館』が19世紀に建てられたものということもあり、その時代にタイムスリップするかのような没入感もあります。
三菱一号美術館
三菱が1894(明治27)年に東京丸の内に初めての洋風事務所建築『三菱一号館』(ジョサイア・コンドル設計)を建設。老朽化のため1968(昭和43)年に解体されたが、2010(平成22)年に復元したのが現在の『三菱一号美術館』。
全館に19世紀後半の英国で流行したクイーン・アン様式が用いられる。

洋館建築でうっとりしてしまうのが、この高くてアーチ型の窓。内側から見ても素敵です。外の緑の木々が窓枠と合っていてこれも一つの絵画のように見えます。

復元したものの中には保存されていた部材を一部再利用しているものがあります。3階展示室のマントルピースは保存部材を利用しているそうです。(この写真が3階のものだったか。。残念ながら覚えてない。。)

マントルピースの装飾がそれぞれ違うので、これを見比べるだけでも楽しい!

廊下もいちいち素敵。やっぱりアーチがいい。

逆側から。ノスタルジックな廊下の先に現代の建築が見えていて、過去と今を結んでいるかのような空間になっていました。外光が眩しくて、なんだか懐かしい気分になります。

トイレマークとか非常ベルのミスマッチ感もこれはこれで良い。どことなく、遠慮がちな感じがします。

アーチに次ぐアーチ。本当に美しい。どっしりと落ち着いた空気があって、ここを通ると何故か安心感があって何か大きなものに包まれる感じがしました。
無駄がないシンプルなデザインだけど、階段の飾りや電飾に可愛らしさを感じます。明治時代にはガス灯が使用されていたので、館内の照明はガスを調整するコックまで復元されているそうです。細部までのこだわりが、復元とは思えない重厚感を生み出しているんだなと思いました。

鉄骨階段の飾りがかなりツボ。この可愛さをなんとか写真に収めたいと、人も少なかったので上から下から一生懸命撮ってみたんだけど、実力不足でした。。

アクリル板がね。。ちょっと残念だけど。そこはまぁ、致し方ないとして。

細部にまで手を抜かないこだわりのデザインが見ているこちらの心臓を鷲掴みにします。トキメキます!
そして階段下には。。。

いたいた!コンドルさん!
ソロ活女子の中で江口のりこさんが隣に並んで座っていたやつ!私も並んで写真を撮りたかったけど、一人だったもので。。。機会があったら次はお隣で記念写真といきたいものです。

現代建築部分もシンプルで素敵です。展示室に向かう気分が高揚するアプローチになっています。

美術館から中庭を見るとこんな感じ。19世紀と21世紀が混在する不思議な眺めだけど、そんなに変な感じはなくって調和が取れている。

この地下の作りが『外国!』って感じがするー。大好きな映画やドラマの中で度々目にする都市部にあるオウチってこんな感じだよねー。

この眺めは日本にいることを忘れてしまうくらい外国を感じます。
三菱一号館のデザインで用いられた『クイーン・アン様式』の特徴の一つに「白い窓枠」というのがあって、窓の開口部の周りに白い石材などを置くことで開口部を強調して表現したそうです。
赤煉瓦に白が映えていて、アーチ型の可愛い窓がより可愛く見えるなと思いました。


『クイーンアン様式」の建築物の特徴は完璧なシンメトリーデザイン。赤煉瓦を壁にした建築物が多く『イギリス積み』と呼ばれる煉瓦の長い面(長手)の段、短い面(小口)だけの段を交互に積み上げる積み方を採用している。この積み方は高い強度をを生み出すことができ、尚且つ経済的でもある。
上記を知ってみると、ぼんやり可愛いと思っていた煉瓦の新しい顔が見える。

空気孔までかっこいい!
建物を見るだけでも大満足な三菱一号美術館。
銀行営業室として利用された空間がカフェになっている『Cafe1984』に行けなかったのが心残り。次は予約して必ず行きたいです。

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