青森に行きたいと考えていた時に飛び込んできた
『棟方志功記念館閉館』というニュース。
嘘でしょ?と目を疑いましたが、残念ながら決定してしまったようで。そこから、青森に行きたいなーから「行かなきゃ!」に変わったのです。
そんなわけで、この旅の目的地二つ目!(一つ目はマタニ)。
棟方志功記念館です。
久しぶりにやってきました〜。
青森に来れば必ず寄れると思っていたこの場所がなくなるなんて。この場所で、寂しいなんて気持ちになったことがなかったのに、今回は切ない感情も込み上げてきました。
でも、中に入ると太陽のような明るさの棟方志功が迎えてくれます。とりあえず切ない気持ちはしまって、冬の展示を楽しもう!と切り替え、展示室へ。
入り口の真正面で迎えてくれる志功さんの銅像。
映像で見る志功さんより、威厳がある。笑
版画や油絵に使っていた道具たち。
こういう道具を見ていると、棟方志功が生き生きと蘇る感じがします。魂を刷り込むように板画に没頭する志功さんも好きですが、キャンバスと格闘するみたいに絵筆を握る志功さんも躍動的で大好きなんだよな。
判子‼︎吸い寄せられそうなくらい力強い意志を感じました。
判子からゴーーーッって音がしてきそうな。
志功さんと青森のねぶたはセットですね。
ねぶた祭りの躍動感が絵からビシビシと伝わってくる。
音まで聞こえてくるような迫力です。
打って変わってすみ一色の板画作品。
ベートーベンの運命をテーマに作られた「運命頌」。
迫力が凄かったです。すみ一色だけど、暗いわけではなく。
ゾクゾクとする気迫がこちらに向かってくる感じがしました。
辰年の今年に、志功さんの龍を見れて嬉しかったです!
なんだかいいことがありそうな、楽しげな龍の顔。
アメリカに行った時に挑戦したという石版画。
気温や湿度が違って板の板画が適していない環境で新しいものに挑戦したそうです。固定概念にとらわれない自由で挑戦的な志功さんらしいエピソードと作品だなと思いました。
かっこいい作品!
グッドマン夫妻のお家に招かれた時に大好きなベートーベンの演奏を聴いて感動した志功さん。その時座っていた椅子に「ベートーベンチェア」と名付けて、こちらのお宅にくると必ず座っていたという可愛すぎるエピソードがたまらないこの作品。
志功さんの描く仏様が好きです。
信仰心はないけど、志功さんの作品に触れると仏教を教わっているようで気持ちが浄化される気がします。
志功さんの自伝「板極道」の装丁デザイン。
刷り上がった板画からもみなぎる力を感じますが、板の迫力も物凄いものがあります。
文化勲章をもらった後の奥様との記念写真。
この写真は今回初めて見ました!
二人の笑顔が素敵すぎて、泣きそうになりました。
志功さんを支え続けた、志功さんにとって女神のような存在のチヤさん。これぞ運命の人なんだろうなーと思ってしまいます。
お守りにしたいくらい幸せな写真。
棟方志功記念館は、志功さんの希望がたくさん込められた場所であることがわかる課長さんに宛てた書簡。
木をたくさん植えて森の中にあるみたいな記念館になったらいい。作品は少数でじっくりと見て欲しい。大空の下にベンチが二つあるといい。この書簡を読んでいると、志功さんが自分の記念館ができることをどれほど喜んでいたのかということが伝わってきます。初めてこの書簡を読んだ時は、なんて可愛らしい人なんだ!と志功さんの魅力にグッと引き込まれました。
閉館が決まった今、なんとかならなかったものかと残念でならないです。世界のムナカタと呼ばれている芸術家の記念館の存続は国をあげて守ってくれてもいいんじゃないかなーと思いました。
雪のある風景も風情があって良かったです。
お庭に入れなったのが残念。ベンチで缶コーヒー飲みながらぼんやりするのが好きでした。
四度目の訪問となりましたが、いつ行っても変わらぬ暖かさで迎えてくれる場所。ラスト感が全然なくて、「本当に無くなるのかな?」と疑ってしまうくらい今回もいつもと変わらない棟方志功記念館でした。そんなに悲しむんじゃないと志功さんに言われた気がしました。

















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