流浪の月/凪良ゆう

面白かった!

ぐいぐいと読みました!

松坂桃李さんと広瀬すずさんで映画化されているのを知っていたので、主人公の更紗は広瀬すずさんのイメージで読み進みました。(他の人はちょっとイメージがブレる感じでした)

自分の価値観というか、こうすることは正しいだろうなと思っていたことを覆されたというか。

もし職場なりに犯罪被害者の方がいたら、偏見の目で見ることはないけど多かれ少なかれ同情の感情は抱いてしまうと思うし、できるだけフラットに接しようなんて心がけてしまうかなぁと思うんだけど、そんな気遣いさえ鬱陶しくなってしまうことってあるんだなぁと。その微妙な気持ちの表現がなるほどなぁと納得する書かれかたをしていて、凄いなと思いました。

 

表面的にはロリコンによる女児誘拐事件だけれども、当事者の二人にとっては全く違う出来事だったっていうのも、普段見ているニュースで伝えられている犯罪や事件にも他者には分からない事情があって、このくらい冤罪に近いくらいのこともあるのかもなーなんてこれも考えさせられるお話でした。

まぁ、現実の事件と考えると一緒にはできないけれど自分では想像もしていなかった角度からのお話でずっと衝撃を受けながら読んでいる感じでした。

 

精神的にはえぐってくる感じで重めな、うまくいかないなーと焦ったくなるところもあったんだけど、どこか幻想的で甘く懐かしい雰囲気が漂っていて、それは更紗が本当の家族と過ごした幸せな時間と文と過ごした安らぎの時間なのかなと。この時間が更紗をなんとか支えていたのかなーなんて思いました。

読んでいるこちらも支えてもらっていたかも。

 

感情がいくつも湧き出てきて、何が正しいのかこんがらがってきましたが、読後は文と更紗が誰にも干渉されずに幸せに生きられる場所を見つけられたらいいなと思いました。

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