2008年の映画なんですねー。
この二人のポスターは頭の中にすごく印象的に残っていて。
どんな話か知らないけど、いつか見てみたいなーと思ってたんです。そして、こんなに時間が経ってしまったけど相変わらずどんな話か知らないままに見たら、思っていた以上の重厚感でびっくりしました!
序盤の恋愛要素が強いストーリーからどえらい方向に向かうところが、え?何?どういうこと?って。
映画やドラマを見ていて西暦が表示されると、何となく戦前か戦後かというのを意識するんですが、これは第二次世界大戦終戦直後のドイツが舞台だったので、これがどこにつながるんだろうなぁとは思っていたのですが。
二人の年の差や置かれている状況の違いから、あまりにも脆そうな恋愛に気を取られて忘れかけていたところにまさかまさかのアウシュビッツで働いていたという衝撃の事実!
とてもとても長い年月をかけて紡いでいく愛の話だけど、純愛の要素以外に絡んでくるドイツの歴史的背景が綺麗な物語にさせきらないところがすごく良かったです。
ケイト・ウィンスレットがその重圧というか十字架なんですかねそれを背負って生きている女性を見事に演じていて、複雑な気持ちのまま見終わりました。
彼女が戦犯者なのか、でもある意味では戦争の被害者でもあるのか、いやいやそう言ってしまうのは微妙だぞ…と考えがぐるぐると回ります。でも最後の最後に少し幸せな余生を過ごせそうだったのに、それを拒否した姿勢にハンナの罪を背負う覚悟みたいなものを感じました。悲しかったけれど、そんな未来を自分は受け入れられないと思ったハンナの気持ちもわかるような気がします。
間違った方向へ大きく流れが向いた時に、それに流されずにいられる人間はどれだけいるのか?その時、正しくないと気づくことはできるのか?と現代に当てはめても難題だなと思える重いテーマにずっしりとくるんですが、それだけにハンナとマイケルの一度きりのサイクリング旅行が物凄くキラキラしていて美しい思い出として心に残りました。
あまりにも複雑すぎて、もっともっと色々な刺さる場面があったんですけど、ありすぎて。とりあえず自分の中で反芻してみようと思います。


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