『あの本読みました?』で村上龍を読みたいなら
オススメの本、と紹介されていた『希望の国のエクソダス』。
読み始めてまずびっくりしたのが、
この小説が書かれたのが1998年〜2000年にかけてということ。
何がびっくりって、まさに『今』な出来事だから。
98年〜00年ってこんなことわかってた?
村上龍さんは未来予知の能力があるのか??
と思うくらい、小説の中に出てくる事件というか社会問題が
まさに今の問題のような気がしてゾクゾクしました。
この小説が発行された当時、私は21歳だったので
その時にその当時の感覚でこの小説を読んでみたかった。
集団不登校をする中学生よりは年を取っているけれど
若者側の視点でこの小説を読むことができたんだよなーと
かなり悔しくなりました。
現在の年齢の自分が読んでも全然面白いんだけど。
「この国には何でもある。だが希望だけがない。」
このセリフはずしっときました。
子供達が希望を持てる国を作っていくのが大人の使命なのにね。
私程度の人間に何かできるのか?って思うけど、
反省してしまう。
村上龍さんの小説は数冊読んだことはあったんですが、
こんなに面白かったっけ??ってなりまして。
改めて、ちゃんと読んでみようモードになり、続け様に読んだのが、処女作「限りなく透明に近いブルー」と二作目の「海の向こうで戦争が始まる」を購入。
これは。。。なんか、若い。
「限りなく透明に近いブルー」は退廃的な若者たちが描かれている、というかひたすらそれだけが描かれているって感じがした。自分が若い頃もこの手のドラッグだエロだなんだかんだのダメダメな若者たちが出てくる映画とかをオシャレな感じがしてぼんやり見ていたなーなんてそんなことを思い出しながら読みました。
今の私が読むと、とにかく不潔な描写がうま過ぎてグロテスクな想像が出来過ぎてしまい、終始不快な気持ちで読み終わりました。短かったのが幸い。
「海の向こうで戦争が始まる」はもっとちゃんと物語っぽかった。こちらも結局何が言いたいのかは分からなかったけど場面転換がすごく面白くて、最初はしばらく読み進めてから「あれ?さっきと違う人たちの話になってる!」って気づくんだけど、だんだんその転換点が心地良くなってくる不思議な感じがありました。自分が空を飛んでいて、いろんな場所を上から見ている感じ。文章も面白くて、子供の頃に読んだ児童文学に似ているというか空想が広がって物語の中に没入していく感覚が面白かった。
でも、こちらもグロテスクな表現がもの凄いリアルで。うへーーってなるところも多々あり。
とはいえ、どちらも「希望の国のエクソダス」を読んだ時のようなゾクゾクしたり続きが気になるような感じではなかったので
自分の好みは初期の村上龍さんではなく、どこかの時点からの村上龍さんなのかもしれないので、その時点を探していきたいと思います!





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