一冊目の「きいろいゾウ」が大当たりだった西加奈子さん。
二冊目の「うつくしい人」が、いまいちうーーんとなってしまい、
三冊目に挑戦するのが遅くなってしまいましたが、
三冊目『さくら』。
すっっっごく面白かったです!
これを読み始めたのが、室蘭への出張の列車内。
その日は雪まつりシーズンのせいだったのか
臨時特急は乗車率120%の勢いで、まさかの立ちっぱ。
まさかの立ち読み。
にも関わらず、ぐいぐい読んでいるうちに室蘭着。
(室蘭までの1時間半ほど立ちっぱでした…)
帰りは、普通列車になり乗車時間2時間半…。
でも、ぐいぐい読んで。
気がつけば家でも、泣きながら一気に(←懐かしいフレーズ)
読み終えました。
ごく普通の、ごく幸せな一家に起こった一つの出来事。
お話はその幸せな家族が崩壊した後から始まるのですが、
何かがあって崩壊したと分かっているんだけど、
幸せな時代はごく普通の家族すぎて、
この家族に何が起こるのかと
気になって気になって気になって、
その結果一気読みです。
のめり込みすぎて、勢い良く読みきったせいで
頭があっつーくなってしまった。
呼吸を整えて冷静にもう一度読みたい。
家族構成も、家族の雰囲気も全然違うんだけど
すごく共感できる、自分の子供時代を思い出せる文章が
とてもリアルで、面白くて
だからこそ、悲劇を家族が襲った時、
まるで自分の家族に起きた出来事のように感じられたのかも。
どうしようもなく悲しくて辛い出来事からの家族の再生。
過去は変えることができないから、
生きている人たちは再び幸せになれるといいなと
小説の中なのに長谷川家のこれからを祈ってしまいました。
愛犬のさくらが可愛くて。
それを可愛がる長谷川家の人々がまた優しくて。
悲しくて辛くて、でも温かい気持ちになる一冊でした。

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